SSブログ

うれしい報道を受けて [自分の生き方]

岡山大・医学部の佐野俊二教授を執刀医とするチームが,昨日10代の女性に心臓移植手術を行い,成功させたとの報。このことは手放しで喜びたい。

RSKニュース 2013年12月7日(土) 17:41 岡山大学病院で初の心臓移植手術 中四国で初めてとなる心臓移植手術が岡山大学病院で行われ、無事終了しました。 手術を受けた10代の女の子の経過は良好だということです。  7日午前9時ごろ、移殖される心臓が岡大病院に到着しました。 心臓は長崎県の病院で脳死と判定された15歳未満の男の子から摘出されたもので、中国地方に住む10代の女の子に対して移殖が行われました。 女の子は心臓の壁が薄く伸びて血液をうまく送り出せなくなる拡張型心筋症と診断され、ドナーが現れるのを3年近く待っていたということです。 岡大病院で初めての心臓移植手術は、開始からおよそ3時間半後の午前11時57分に終了しました。 女の子の経過は良好で、順調にいけば2ヶ月~3ヶ月で退院できる見通しです。
http://www.rsk.co.jp/news/news_local.cgi?id=20131207_3

佐野俊二教授
https://www.facebook.com/shunji.sano?ref=ts&fref=ts

佐野先生は先だっての岡山大・学長選挙(構成員意向聴取)に立候補された。
https://www.facebook.com/Prof.Sano?ref=ts&fref=ts

「選挙運動」として私の研究室までもお越しになり、結構な時間を割いて話をしてくれた。内容については色々と思うこともあったが,少なくともいえるのはそういう「立候補」するような人には何が必要かということを教えてもらったということ。その詳細はちょっと言葉では説明しきれないが、あの数分はなかなか勉強になった。

「学長選挙」の結果は思惑通りにはいかなかったのだが、今回の報を見ると,やはり先生にはこんなすごいことが出来る心臓・血管外科医をどんどん育ててほしいなと思う。今回もドナーが出た時に東京出張中だったとか。学長になったらその仕事に振り回されて、こっちが出来なくなるのではないか。そんなことを思うと、大学の経営なんて誰かに任せて、こっちの大仕事をしてほしいなと思う。

顔帖ページを見ても、その時に伺った話を思い出しても、中央の政官界とのパイプが太いようである。もちろん医学部の教授というのはそういうものもとても大切で、たとえば心臓移植なんていうのをやろうと思ったらものすごい施設と費用が掛かるわけで、それを調達するためにはそういう力も必要だ。「白い巨塔」はそれを悪い方から描いていたようにも見えたが、医学部の教授にとってそれもとても大切な力だし、ほかの実験系の自然科学の「教授」にもその役割が求められている。

佐野先生には失礼な物言いになるが、個人的には今回の選挙結果はよかったのではないかと思う。一線の執刀医を退くべきかどうかは分からないが、もっともっと次世代をたくさん育て、ご自身が一線を退くべきだとお考えになったときに、今度はその人脈や見識を活かして大学経営に携わっていただければと思う。次回を期待したい。

この一連の話を見ていて,自分の身の振り方について色々と考えている。これまで教員養成を一生懸命やってきたつもりだ。つきあってくれた学生は力をつけてそれぞれの現場で活躍している。だが残念ながら決して数が多いとは言えない。これまでの卒業生は50名少々。今の3年次生までいれても60名を少し超えるだけ。もちろん彼らがその次の世代を育てるのだからそれは素晴らしいことだが,それでも少なすぎるのではないか?

自分は何をすべきなのかを考えるこの週末である。

反転授業 [教育について]

日本の小学校で反転授業をやった話を見た。

教育とICT オンライン
先進事例で知る 情報化で変わる学び 2013年12月5日
「国内初、小学校での「反転授業」が子供にもたらしたもの」
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20131203/1113963/

いやいや、驚いた。これを本当に実践したとは。
内容ではなく,家庭環境などを思って,子どもたちが本当に予習してこられるか?という意味では手放しでは喜べなくて,ごく特殊な事例だとは思うけれど、何が素晴らしいって、予習用に渡したビデオのサイズ。

どうやら「2,3分」のものらしい。それを担任の先生が作ったと。

これは素晴らしい。手間はかかるだろうけれど、絶対に必要だと思っているので。それを担当の教師が自分で準備しなくては、その後のディスカッションの質が向上しない。

この報告をよく読むと、気になる点もある。

 アメリカと比べると、先生の専門性は日本の方が上です。日本の先生は、ただ一斉授業をするのでなく、その中で子供たちにインタラクションをさせるという、職人芸的な授業をしています。  アメリカは、教師とそれ以外の職業の流動性が高いので、教師から別の職業に転職する人や、その逆の人が少なくありません。そこで、何年も修行しなければできないような特別な授業をすることよりも、マニュアル化されたキットを用意して、普通のスキルを持っている先生なら誰でも授業ができるようにする、というところに重点が置かれています。

前にも書いたように、アメリカの教員のレベルは決して高くない(こちらをクリック。 下の注も参照)。だからこの手のものは広がりやすいし効果も出やすい。しかし今のわが国ではメリットは限定的だ。もし日本で導入するならば、その授業を担当する教師が自ら作ることに意味があると思う。そうすれば非常にいい効果が出るだろう。この報告にも

ですから、市販の教材をポンと持ってくればよいかというと、それは疑問です。先生にとっても、市販の教材を子供たちに投げるだけというのでは、“自分の授業を奪われていく”感がぬぐえませんし。

とある。ちょっと「奪われていく」は性善説過ぎると思う。「楽だ、ラッキー」になりそうな気がする。だから

全国から授業力の高い先生を集めて、その先生の授業ビデオをパッケージ化してみるのはどうでしょうか。その先生とティームティーチングをするような形なら、現場の先生にも受け入れられやすいかもしれません。あとは、自分たちで作ったビデオを学校の中で共有して、ブラッシュアップさせていくという方法もあるでしょう。


というあたりも、慎重にしなくてはならないと思う。学習者に単純な技能を身につけさせるだけならばこれでもいいと思うが、深く掘り下げることが反転授業の目的だとすれば、やはり授業担当の教員が作るべきだと思う。だから

教師にこれを作る時間を与えてくれ。もちろん勤務時間内にだ
今上がっている話は逆のようだが(ここからジャンプ)。

俄然、やる気が出てきた。来年やってみようかな。大学生相手だったら少しアレンジしたほうがいいかな。解説ビデオををWebサイトに挙げておいて、予習させてそのノートの一部のコピーを出させてあとはディスカッション形式をメインにする。

ちなみに我々数学屋さんはみんなこれで鍛えられてきたんだよね、自ら予習してきて、ゼミ形式で先生の前でしゃべって、叱られて。

注: アメリカではKhanアカデミーのビデオが予習用として使われているようですけど、はっきり言って授業としてのレベルは低いです。日本の多くの小学校で先生方がやっている授業のほうがはるかにレベルは高いですので、お間違いないように。

よかったらこのバナーをぽちっと。

教育・学校 ブログランキングへ

それが実態 [教育について]

数日前に呆れて書いた話。

「インパール作戦だよ,これ。」
http://takuya-sobukawa.blog.so-net.ne.jp/2013-10-29

ここで取り上げた,財務省関連から出てきた話の中に
教師は一般事務職に比べて給料が高い、だから一般並みに下げる
というのがあった。全く呆れたのだが,その呆れた理由の詳細についてわざわざまとめてあったサイトを見てしまった。

教職に意欲のある若者もこのサイトを見るかもしれない。そういう人たちの意欲を削ぐ可能性もあるので少しためらわれるが,現実は現実。むしろ待遇改善を叫んだ方がいい。日教組は長年くだらないことに意欲を燃やしてきたようだが,これこそが日教組の取り組むべき仕事である。

【教員の現実】公的ブラック企業『教職』
http://matome.naver.jp/odai/2137160915054702001


良かったらこのバナーをポチッと。

教育・学校 ブログランキングへ

コロッセオ [自分の生き方]

ローマのコロッセオに行ったことは何回かある。

そこで何が行われていたかについては,よく知られているのでもう述べない。

昔からネットの炎上系には加わらないようにしている。自分の記事が炎上するほどキョーレツ(笑)なことは書いていないようで,残念ながら(?)炎上したこともない。

この生き方について確認すべき記事を読んだ。

まつたけのブログ
自分は観客だと思っている人たち2013-12-02

そうそう。特にネット上はみんながプレーヤーなんだ。そこを認識しなくてはならないが,人間の認識はそこまで行くのが難しい。自分の部屋でモニターを前にしているだけでは,単なる観客になってしまうのは,身体感覚からして当然のこと。自分の肉体では実現できないようなスピードで移動することができる車の運転と同じで,人間にとって不自然なことをするのだから,それなりの教育が必要である。もちろん麻薬としての性質もある。

こうなってしまうのは,もしかしたら人間の本能的なものかもしれない。

○ 車の運転が怖いという人はむしろ感覚として正常。
○ 麻薬は一度経験してしまったら極度の「快感」にまた戻りたいとする本能が表に出てしまうから,1回たりとも使ってはならない。
○ ネット上でみられるこのようなひどい発言も,動物としての闘争本能をむき出しにして快感を得ている。

このブログでは,同じシリーズのこちらで,次のように述べられている。

人間としての弱さなのも甘えなのもわかっているけど、自分がつきあう人間は慎重に吟味したい。


萎んでいく話なので少々悲しいが,こういう気持ちになるのはわかる。弱さだの甘えだのと卑下することはないと思う。文明社会に生きる人間としては当然のことだ。

だが一方で自分は,希望的観測を胸に抱きながら,こういうことが減っていくように社会に訴えかけていく。教育の仕事はそれが可能な仕事だ。


教育・学校 ブログランキングへ

困った無邪気さ [社会の問題について]

このところ,困った法律が国会で審議されている。

それに対してずいぶん激しい抗議活動がなされているようだ。その昔,当時幼児だった晋三ちゃんが信介おじいちゃんのまえで「アンポ,ハンタイ」と練り歩いて苦笑された話からすると大人しいかもしれないが,まあ近年では割と強烈な動きだ。

そこで,自民党・石破茂氏(現・幹事長)のブログ発言が取りざたされていた。
その激しい抗議活動について「テロと考えの根っこが同じだ」というようなことを書いたらしい。

この発言を見ていても,またこの法案を主管する担当大臣の答弁を聴いていても,私にはこの人たちは自分たちが歴史的に重要なポジションにいるということがわかっていないように見える。たとえば
機密指定するのは○○と○○と○○のジャンルに限ると明記してある。だから役人はそれ以外のことを機密指定するはずがない
などという担当大臣の答弁を聴いたが,こういうのを

  お花畑

というのだ。もし世間を欺くためにこう強弁しているならまだ良し。反対派にも存在意義がある。しかし見ているとどうも本気でそう考えているように見えるのだ。

百歩譲って,今は内閣も役人もすべてそう思っているとしよう。だがそれが将来一人歩きをする可能性がないと言えるのか。

石破氏の発言にしても,実は認識としては正しいと私は思う。だがこの無邪気な発言がそのうちすべてのデモ活動を禁止するような暗黒社会へつながらないと言えるのだろうか。

彼らは自分たちが歴史の1ページを作っていることをもっと認識すべきだと思う。彼らの無邪気すぎる発言には大いなる不安を感じてしまう。

石破氏については,その正論をぶつところは支持できるのだが,この無邪気な発言にはがっかりした。

それでも石破茂を応援するのか 
http://takuya-sobukawa.blog.so-net.ne.jp/2013-07-20

やはり石破茂を応援する
http://takuya-sobukawa.blog.so-net.ne.jp/2009-09-07

付記: 今現在(2013.12.9)にしては遅いかもしれないが,以下の記事を見つけた。さすがは冷泉彰彦氏。この冷静な分析。

Newsweek 日本版 プリンストン発 日本/アメリカ新時代 2013.12.3
特定秘密保護法案、絶叫ではなく議論が必要なら、その中身は?
http://www.newsweekjapan.jp/reizei/2013/12/post-608.php


Sobu研・大同窓会のお知らせ(確定版) [Sobu研紹介]

Sobu研・メンバーの皆様(注1)。

現役4年生からの発案で,年末に大同窓会をやろうということになりました。
幹事の学生たちから案内状が発送されました(注3)。12/3までに葉書が来ない方は,お知らせ下さい。

 日 程: 12/28(土)  17時開会
 場 所: レストラン&バー『Juicy』 (岡山市北区錦町6-16 松原第1ビル2F 086-238-7968)
      http://www.juicy-okayama.jp/
 会 費: 6000円

都合がつく方は是非お集まり下さい。都合がつかない方も連絡を下さるだけでも幸いです。

なお,当日曽布川は,14時に ピュアリティまきび(旧称 まきび会館) 1階ロビーにてお待ちしております。
会場まで歩いて10分程度です。遠来の方で早く着きすぎた方,また子どもさんを抱えているなどしてメインの会には来にくいといった方も,遠慮なくおいで下さい。ラウンジでお茶でも飲みましょう。

ピュアリティまきび  http://www.makibi.jp/ 

 注1:
[定義] Sobu研メンバーとは, 次の(a), (b), (c)のいずれか満たす者を言う。
 (a) 曽布川の指導の下で卒業論文または修士論文を書いた
 (b) 曽布川の研究室に来て曽布川と会話をして楽しいと思った経験がある
 (c) その他,自分はSobu研メンバーだと思っている

 注3: 案内状はとりあえず曽布川の手元にあるデータを使って送りますが,現住所がわからない方もたくさんあります。ご実家にお送りしている場合もありますし,職場がわかる方には職場に直接お送りしていることもあります。

 注4: 時間的に余裕がありませんので,曽布川がわかる範囲でメールでもお知らせいたしますが,葉書がお手元に届きましたら,是非そちらをご返信下さい。

 注5: 上記定義で(c)に該当する方には,葉書でのご案内ができていない可能性が高いです。遠慮せずに曽布川までメールを下さい。

(本記事のマイナーチェンジ:12/2 11:30)

日本語の文法を知らなかった(汗) [英語を勉強する?]

こんな本をよんだ。


日本人のための日本語文法入門 (講談社現代新書)

日本人のための日本語文法入門 (講談社現代新書)

  • 作者: 原沢 伊都夫
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/09/14
  • メディア: 新書



まずは私のこの記事が分離されているカテゴリをご覧いただきたい。

私はこのような(きちんとした)日本語の文法について知らなかった。一般人向けに書かれていることを割り引いても,わかりやすく使いやすい。これなら

○ 5W1Hのような「文を書く」指導に役立つ
 子どもに指導する必要はないが,小中高の国語教師は国語文法だけでなくこういう分析を知って「作文」指導に役立てることができるのではないか

○ 英語などほかの言語を検討するうえで役立つ
 ゛主格が主題になっているのが英語”のような見方,冠詞のとらえ方など,英語を学ぶ上で役立つ話がたくさんある。高校生に対する指導に役立てることができる

○ (上記2点を踏まえて)数学の書き方の指導に役立つ

これを読んで改めて「グローバル・リテラシー」とかいうものについて考えている。





英語 ブログランキングへ

頼まれ仕事 [算数・数学教育について]

昨日は算数・数学教育関連の「研究大会」というのに呼ばれて,はるばる行ってきた。

私が出席したのは,「高等学校部会」の中の「数学Ⅱ・B・Ⅲ・Cの指導法」という分科会で,発表を聞いてコメントをする役である。

ところが。

4つの講演のうち「数学Ⅱ・B・Ⅲ・C」の話は2つしかなかった。残りは「予習をしましょうキャンペーンをしてアンケート調査をしたところ,予習は意味があるという感想を得た」「定期試験の前に確認テストをしてアンケート調査をしたら定期試験が勉強しやすくなったという感想が得られた」という話である。

事前に資料が送られてきたので見て愕然とした。コメントのしようがない。すなわち

「発表のジャンルが違う」「数学教育の研究としてあまりに稚拙」

である。昨今入ってきた統計学関連の教材にするデータとしては良いと思ったが,それだけだ。

残り2つのうちの一つは生徒に手を動かさせる実践の報告で大いによかった。しかしもう一つは「○○の指導法」なのにその「○○」の実践の話はなく教科書にない隣の内容をやってみたという話。「○○」については実践はしていない指導についてのアイディア報告はあったがそれも含めて,その「○○」が数学的にわかっていないことから起きるトラブルを解消するために「関係しそうなことを勉強しました」レベルのこと。

ひどいレベルだった。

参会者も時間の無駄だったと思う。

同時にこの研究大会の運営について見直さなくてはならないと思う。これは中四国9県の持ち回りで,発表者もコメンテータもみんな持ち回りの当て振り。なんだかこの分科会で発表しろと言われたけどネタがないから、これをやっちゃえというレベル。

この学会と関わることは今後永久にないと思うので,ズバリ「この分科会ですべき発表ではない」「内容も稚拙(というう言葉は使わないがそういうこと)」と言ってしまった。

頼まれ仕事を真面目にしてしまった私。



数学科・算数教育 ブログランキングへ


続・考える力をどうつけさせるか [算数・数学教育について]

今日は近隣の中高一貫の県立校で研究授業。

中高それぞれ一人ずつの先生方が授業された。お二人とも非常に意欲的な内容を上手く料理して生徒たちに考えさせていて,検討会では細かい授業テクニックで文句をつけてはみたものの,そんなことを後からグダグダ言わないと言うことがないくらい頑張っていたと思う。

前回,指導案検討に行ったときに,
間違えた生徒/途中まで考えが進められた生徒 の意見をうまく使う

という話をしたのだが,それを見事に取り入れて授業をしていた。

グループ学習の形式ではあるが,協同学習をきっちりやるというよりもみんなで内容を検討しようという感じ。あの学校のレベルなら十分だと思う。

前に述べた

 考える力をどうつけさせるか
http://takuya-sobukawa.blog.so-net.ne.jp/2013-10-25

 間違いの持つ豊かさ
http://takuya-sobukawa.blog.so-net.ne.jp/2013-06-12

といったことをしっかり考えてくれているようだ。

検討会が終わった後,中2のクラスで授業をされた女性の先生が
何かこれから改善すべきことはありませんか
ときいて来られたので
ない
と即答した。すべきことは,今のつもりでどんどんやってみること。そして生徒たちに今の進め方の癖をつけさせること。これが考える力の養成である。


数学科・算数教育 ブログランキングへ

ストーリーを考えないと [英語を勉強する?]

こんなブログ記事を読んだ。

岡本裕明
外から見る日本、見られる日本人
「本当の英語がやってくる」    2013年11月07日10:00
http://blog.livedoor.jp/fromvancouver/archives/52356065.html

さすがにランキングでトップを走るだけのことあって,いいことを言っている。

多くの日本人は旅行英語会話集や通訳用の電子手帳などで「たった一言」で全部を言おうとしますが、それ故に相手に通じないのであります。中学の英単語でかまわないのでそれを並べて情景を表現した方がより相手は理解できるのです。


一応これは英語での話になっているのだが,結局それは日本語でも同じことなのではないだろうか。

若者と応対していると,なんでも一言で片づけてしまおうという風に見える。もちろん私のようなおっさんと話などしたくないというもわかるが,若者同士の会話でもそうだ。だから若者がきちんと書いているブログなどを読むとうれしくなる。実際,そういう彼ら・彼女らから学ぶことは多い。

昨日,ある宴会で「近況報告の時間」があった。そこで重大発表をしようと1か月前から考えていて,そのためのストーリーをずっと考えていた。その会の出席者の共通認識とその会の性格,自分が言いたいこととの関連。実はそのために何度もそのスピーチを練習していたのだった。

いざその場にて。実は出てきたふぐ刺しがあまりにおいしくて,スピーチのころにはしたたかに酔っていたのだが,おかげさまで思うとおりのスピーチが出来た。反応は予想していたよりも重く大きかったのは驚きだったが,スラッとできたのはやはりそのつもりで考えていたことが大切なのだと思う。

先月も,教授会でそういう場があった。もともと発言の予定があったが,直前に別の案件が割り込む形になった。そのため,発言の前に少しだけ前振りをつけたのだが,あとで出席者から「曽布川節を聴いたよ~」と言われた。こういう認識というのは大切なんだなと改めておもった。

そういえば思い出したのが,高3の時のクラスメイト。当時は短歌をたしなむ人だった。雅号は六平(ろくへい)。この雅号の由来はやはりひかえよう。服装が自由だったので、和服でくることもあった。洒脱な人だ。そんな彼が国語の時間に行った スピーチは,その導入からみんなを惹きつける素敵なものだった。細かい内容は忘れたが、そんな色々を思い出した今日の昼下がり。

付記: まさかと思ったが検索してみたところ,六平氏の最近の俳人としての旺盛な活動が分かった。
矢沢六平 句集
http://natsushio.com/?attachment_id=8421

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。