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続・ボクがPower Pointを嫌いなわけ [社会の問題について]

パワポ嫌いって声高に言うのをやめようって書いた直後にいきなりこれか?とも思うのだが,やっぱり自分の気持ちはそう簡単に変わるものではない。





を読んだ。少し前に出た本で,各方面で感想などを目にしていたのだが,Kindle版が出たら読もうと思っていたので今頃になった。

そもそもkindleも不安なものである。手元に本がないわけだし。そういえばGmailが好きになれない,もしGoogleがつぶれたらどうなるの?と言う友だちもいた。先日はGoogle Group で共有設定がきちんと出来ていなかったため,中央官庁の内部文書が自由に見られる状態であったことが問題になった

そもそも私企業たるGoogleのサーバにその情報は置かれたわけだし,ちゃんと設定が出来ていたとしてもサーバ管理者には見られてしまうわけで,そこは逃れられない。

そんな気持ちの悪さがつきまとうところで本書を読んで,やはりPower Point が嫌いな気持ちが増してしまった。

前に書いたのは,自分自身の内部の問題。すなわちこういう道具に自分の内面が規定されてしまう気分の悪さだったが,本書に上がっているのは,外側からみた自分が丸裸にされていることである。

ちょうどメインで使うコンピュータを変えて,クッキーが全部なくなったところなので最近は起きないが,ひところはポータルサイトを開けると,毎回家電製品のコマーシャルが出てくることがあった。それは電気湯沸かし器をネット購入したからであろう。Amazonで本を買おうとしても,常に似たような分野の本がおすすめリストに挙がるのも同じ理由だ。すなわち自分の行動が監視されているわけである。

いちいち気にしていては仕方がないし,今は特に目に見える悪いことは起きていないのでのでそれは無視しているが,どういうことになるかわからない。

本書はこうしたIT関連だけでなく,ファストフード業界なども例に挙がっているのだが,そうした大きな企業=世界征服をする「帝国」になぞらえている=は自らの利潤追求にのみ進むのであって,その推進力の前では国家権力などひとたまりもないというのがその主張である。そしてそのシステムを作る側の人,投資をしている人には大きな恩恵がもたらされるが,その大多数の従業員や消費者は「企業=帝国」の言うがままであり,決して報われることがないというのがその分析である。

そしてこのことは,こういう世界的に目立つ企業だけでなく,我々の身近なものもほとんどそうなっているのである。雇用の問題を考えてみても,実際周囲にも,それほど能力がないわけでもないのに安定した収入を得られない人がたくさんいる。運が悪いということだけで片付けることは出来ないほどそういう人がたくさんいる。選挙などを見ると「若者の雇用促進」「高齢者の生活安定」などという公約をよく見るが,結局その方法はない,政治など無力である,資本の威力に抗うことはできない,というのが著者の主張であるが,実際そうなっているんだろうと思う。

「ゲーム脳」などという言い方は「陰謀論」の一種だと切って捨てる人もいるけれど,やはり実感としてあの手のものは麻薬のような強い刺激による習慣性を持っていると思うし,それがなくては生きていけないというふうに手なづけられてしまっているとおもう。

Power Point にある程度なれた頃から漠然と思っていたことは,こんなことも含んでいたのだと改めておもう。その点で考えてもやはりPower Point は嫌いである。

同時に,便利なものではあるが,Kindleも危険なものだと思っている。


企業が「帝国化」する アップル、マクドナルド、エクソン~新しい統治者たちの素顔 (アスキー新書)

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  • 作者: 松井博
  • 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
  • 発売日: 2013/02/12
  • メディア: 新書






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