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ボクがPower Point を嫌いなわけ [社会の問題について]

話題の近著

レイヤー化する世界

レイヤー化する世界

  • 出版社/メーカー: 佐々木俊尚
  • 発売日: 2013/06/26
  • メディア: Kindle版


を読んだ。著者自身が相当力を入れたと語るだけのことはある力作であるが,内容としても示唆に富んだものだと思う。

その中で言われていることは,世界の枠組み(秩序)が大きく変わってきているということ。そこにはもはや国家という枠組みすら意味をなさなくなっていて,むしろITの発達により,社会がいろいろな意味の階層(レイヤー)の分かれており,個人はそれぞれ複数のいろいろなところに所属してその人格?を形作るようになっているということ。

さて,この表題がこの本と何の関係があるのか。

一応使うし,それの授業なんかもするのだが,昔からPower Pointが嫌いである。

食わず嫌いではない。
http://takuya-sobukawa.blog.so-net.ne.jp/2009-04-14

しかし好きにはなれなかった。そしてむしろこういう物を作る側の人たちのことを聞いて,溜飲を下げたりもした。
http://takuya-sobukawa.blog.so-net.ne.jp/2010-08-23

あのソフトが持つ豊かな表現を見ていると,その形式に合わせて物事を考えるようになってしまいそうで,気分が悪いのだ。

しかしこの佐々木氏の記述を見て合点がいった。すでに私自身がそうしているように,PowerPoint という表現形態でコミュニケーションするのは一つのレイヤーだと思えば良いのだ。大事なのはそれ以外のレイヤー,たとえばラジオを聞く,仲間と直接議論をする,書籍を読む,ブログを書くなど,他の分野の活動を充実させればいいのだ。そうすることでトータルではPowerPoint による影響は薄くなる。

だからあまり声高に「パワポ嫌い」と叫ぶのは控えようと思う。

その一方で,だからといって電子教科書のようなものに賛成は出来ない。というのは,たとえば私の場合のように,他のレイヤーにいろいろ加わり,影響を小さく出来るならば問題は少ないし利点が表に出るが,他のレイヤーを豊富に持たない子供たちがこの刺激の強い世界に入ってしまったら,その影響を色濃く受けるからだ。

是非本書を読むことをおすすめする。


レイヤー化する世界―テクノロジーとの共犯関係が始まる (NHK出版新書 410)

レイヤー化する世界―テクノロジーとの共犯関係が始まる (NHK出版新書 410)

  • 作者: 佐々木 俊尚
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2013/06/05
  • メディア: 新書






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