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バカロレア,いいねぇ [教育について]

こんな記事が目にとまった。

French Bloom Net 2013/6/22 by cyberbloom
フランスの大学入試=バカロレア始まる:この哲学の問題、解けますか?
http://www.frenchbloom.net/2013/06/22/2058

そうそう。若いうちからこうやってしっかり考えることが大切。
ヨーロッパの評価されるべきところは,こうやってじっくり考える人を大事に育てていること。
国を挙げてこういう人を高く評価しているのだ。それに対して我が国の現状はひどい。曰く

この対極にあるのが、自分でものを考えずにお上にすべてお任せする日本のパターナリズムだろう。日本では哲学者の名前と思想の要約を丸暗記し、それをマークシートで答えることになるだろうが(私の世代の「倫理社会」はそうだった)、フランスでは哲学は学ぶものではなく、「哲学することを学ぶ apprendre à philosopher 」のだ。試験では、哲学史上の議論を踏まえながら「自分の議論」を展開することになる。


という。

少し自慢をする。我が研究室では,このレベルの哲学をさせているとまではいえないが,4年次に教員採用試験を受けるために,こういう議論をさせている。質はともかく,そういうことを議論しようという姿勢は間違いなく養っている。だから教員採用試験も怖くないらしい。折しもちょうどそういう時期であるが,彼らの様子は全く平常通りで緊張したり臆したりすることはない。そこが人間としての力になるのだろうと思っている。

この文章でもう一つ考察を深めてほしかったのが,原発絡みの次のコメント。
論理的に矛盾することを平気で言い続け、矛盾しないと安易に思い込める批判力の欠如が、あの原発事故を招いたとすれば、日本にこそ論理的な思考訓練が必要だろうと思うが、一方で国を挙げて哲学しているフランスが原発推進のお友達というのが非常に悩ましい。


そうじゃない。あの国はきちんと哲学をして,物を考えた上だからこそ,原発の積極導入に踏み切れたのだ。万が一にもチェルノブイリや福島のような事故が起きたとしても,自分たちで考えた結果なのだからそれを受け入れる。その覚悟があるから現状があるのだ。良記事だとは思ったが,この点で少し筆者のイデオロギーが入ったように見えて残念。

まあ世間では,こんな記事よりもあの青色発光ダイオードの中村修二教授のインタビュー記事

日経ビジネスオンライン 2013年7月9日(火)「国境を越える人材争奪戦」
国を作り替えないと日本に外国人は来ない
            ~中村修二・米カリフォルニア大学教授に聞く(前編)
細田 孝宏
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20130705/250730/?n_cid=nbpnbo-bv_ru

の方に興味が集まるのかもしれないが。

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コメント 1

sobu

バカロレアが良いんじゃなくて,哲学が必修だというところがいいのかな。しかもそれをテストで問うこと。

by sobu (2013-07-10 13:44) 

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