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過去から学ぶ [読書感想文?]

こんな本を読んだ。


教科書には載っていない大日本帝国の真実

教科書には載っていない大日本帝国の真実

  • 作者: 武田 知弘
  • 出版社/メーカー: 彩図社
  • 発売日: 2011/11/15
  • メディア: 単行本



自虐史観に捕らわれるのはイヤだが,ウヨちゃんたちの言い分にもどうも納得が行かない私。

だがこの本は読んでみて少し考える気になった。それは次の2点に負う。

1.大日本帝国が太平洋戦争に突入していったのは,政治の無力によるものである(第5章8 失敗だった大日本帝国の政治システム)
2.日本は外交を軽んじている(第6章2 外交の失敗が太平洋戦争を招いた ほか)

「あの時代が良かった」などと手放しで讃えようとは思わない。一方で「あんな暗黒の時代に」という言い方にも違和感がある。国として上っていった明治~昭和初期,そして戦争による没落。

後書きにはこうある。
 大日本帝国の歴史の前半は「国家が勃興するとはどういうことか?の非常にわかりやすいサンプルだと言える。
 国力を充実させるには、まず何よりも教育が重要であること、そして身分や門閥を問わず優れたものに活躍の場を与えること。そうすれば国は大きく発展する。大日本帝国はそのセオリーをものの見事に体現していると言える。弱小国が、強国に対抗するにはどうすればいいか、ということの模範解答とさえ言えるだろう。
 また大日本帝国の後半の歴史は、国の繁栄を持続させることがいかに難しいか、ということを如実に示しているものでもある。国がダイナミックに勃興すると、国内外に様々な諸問題も生じてくる。残念ながら大日本帝国にはその問題に適切に対処する能力が欠如していたと言える。貧富の格差が拡大すれば、国民の不満は高まる。国民の不満を抑えるためには、経済の活性を鈍れあせずに、富の再分配を図らなければならない。大日本帝国にはそれができなかった。それば「軍部の暴走を国民が歓迎する」という異常事態を生んだ最大の要因だと言える。


この本が歴史学としてみたときにどうであるか、また人々のいう主張と整合するかについては、正直に言って全く興味がない。私が興味があるのは,ここに書かれている内容を元に、今後我々がどう生きてくか,また社会をどのように発展させていくのかを考えたいということである。






追記: 同じ著者による,同様の装丁の次の本もついでに読んだ。(2013.3.27)

教科書には載っていない!戦前の日本

教科書には載っていない!戦前の日本

  • 作者: 武田 知弘
  • 出版社/メーカー: 彩図社
  • 発売日: 2008/12/26
  • メディア: 単行本


まあこっちの方が少し気楽に読める。特に「驚きの」と言うほどのことはなかったが,面白いエピソードが並んでいる。それぞれに結構親近感をもったのは,生まれ育った辺りが青線地帯を潰して作った公務員住宅だったことや,先日杉原千畝の評伝を読んで「白系ロシア人」について少し知っていたことや,古いバンドマンから「危ないクスリ」が蔓延していたという昔話を聞いていたことや,新幹線の歴史を子どもの頃から見ていて、その中で「弾丸列車」についても見ていたことや,まあそんな個人の様々な経験によるものだ。ということは,こういう古い時代に近いということで,若い人たちと話が合わないのはまあそんなもんかなと。

だからこういう「過去」から学ぼうと思えるのかも知れない。


諜報の天才 杉原千畝 (新潮選書)

諜報の天才 杉原千畝 (新潮選書)

  • 作者: 白石 仁章
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/02
  • メディア: 単行本



諜報の天才 杉原千畝(新潮選書)

諜報の天才 杉原千畝(新潮選書)

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/01/31
  • メディア: Kindle版



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sobu

面白い話が上がってたので,紹介しておく。

年寄りが語る戦後日本
http://d.hatena.ne.jp/raurublock/20080617/1213712672
by sobu (2013-03-27 13:03) 

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