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ほんとうにいいの?デジタル教科書 [読書感想文?]

出た当初から見てはいたのだが,ここに挙げなかった本である。


ほんとうにいいの? デジタル教科書 (岩波ブックレット)

ほんとうにいいの? デジタル教科書 (岩波ブックレット)

  • 作者: 新井 紀子
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2012/12/07
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



直接の知り合いではないが,新井氏の著作はたくさん読んでいるし,同じ日本数学会の会員として,特にその中で教育に関連する委員会の委員として活躍されていることもあって,近しい気はしている。

この本については,最初のページから,本としての出来は今ひとつだと思う。それを一生懸命つついているサイトもあってその通りなのだが,議論したいのはこの本がどうこうということではなく,デジタル教科書の類の持つ問題点である。

前から当ブログでも指摘している通り,(最近ではこの記事少し前のこの記事からはさらにリンクを張っているこんなのも関係ある。),そもそも教育の目的・本質からして,デジタル教科書には負の部分が大きい。しかしそのことについてまともに答えた意見を見たことはない。話はそのメリットだけである。言うならば「お花畑」。

新井氏の本著はこのことついて,鋭く問うている。

ネットを検索してみると,いくつかの意見が見つかる。たとえばこのサイトは新井氏や私と同じ立場に立って,丁寧に意見が述べてある。

さて,専門家の諸兄姉,なんとか答えて下さいませ。





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コメント 5

sobu

京大・経済学部の依田高典教授のツイートを見た。
https://twitter.com/takanoriida/status/318888241568813056

1つも異存はない。ただし,ICTが数学教育,特に抽象的な概念を把握することと,論理的にきちんと議論をすることが出来るようにするためにネガティブに作用するということを,ICTを用いた教育を推進する人たちが無視しているのが現状だ。


by sobu (2013-04-02 10:53) 

sobu

同じ依田氏のツイート。
https://twitter.com/takanoriida/status/318886081934286848

結局こういう方向になるのである。そしてそれを踏まえた上でないと教育など出来ない。
by sobu (2013-04-02 10:55) 

りん

曽布先生
拙文へのリンクありがとうございます。つついてナンボにもなりませんが,あえて本としての出来をつついてました。

「デジタル教科書」に対して,懸念や批判本を出すほどに人々が無我夢中に期待しているとも思えず,居ない相手を敵に書くやり方は恥ずかしいですよと申し上げたいだけでした。

「ICTを用いた教育を推進する人たちが無視している」という当て方も,私にしてみると「だれのこと?」と思えますし,該当する人がいるなら名指しでもするか,一筆差し上げれば済むことではないかとも思います。

私はツール活用大好きな人間ですが,使っても意味ない場合や,使わない方が効果的である場面まだも活用しようとは思いません。そうは言っても易きに流れることが問題というのも,多かれ少なかれいつも自戒していることなので,そういう次元のことなら,もうちょっと分かるように書いてよ,と思う次第なのでした。

本としての出来をつついた理由は,こんな感じです。デジタル教科書の本質だとか出来などは,また具体的なものをあげて別に考えたいなと思います。

急な書き込みで,推敲などせず乱筆乱文失礼しました。
by りん (2013-04-02 13:15) 

りん

曽布川先生
先の書き込み,お名前「川」の文字抜けてしまってました。
大変申し訳ありません。
by りん (2013-04-02 13:32) 

sobu

>林向達先生
 わざわざのコメントを恐縮です。貴サイトにてご指摘の「書き直されるべき」はその通りだと思います。
 ここに頂戴したコメントについては少し私の思うところを申し上げます。もうずいぶん前に一生懸命やったので,自分でもわからなくなっていますが,拙ブログにて問題点を書いたのはこれらのサイトです。
http://takuya-sobukawa.blog.so-net.ne.jp/2012-01-27
http://takuya-sobukawa.blog.so-net.ne.jp/2011-10-21
 私は中村伊知哉氏にも孫正義氏にも陰山英男氏にも名指しでものを言い,少なくとも彼らが直接見るような形でコメントを送っていますが,何の返事もありません。
 DiTT関連でも私のこのサイトが取り上げられたことがあったようですが,結局「バカがなんか言ってる」のレベルで終わっている。私はそういう経験をしています。
 日本数学会などいくつかの大きな学会が公式の声明として慎重な扱いを要望していますが,それに対してDiTTなどが公式の反応をした話は聞いたことがありません。
 彼らの発言を聴くと「何が問題かの話はやめにして,明るい未来について語りましょう」です。もちろん有意義なツールになり得る部分があるのはわかりますが,害になる部分を全く見ようとしていない。
 新井氏の今回の書籍の出来はおっしゃる通りで,少々ヒステリックで破綻した感じがするので,残念に思います。何度かお話を伺った感じで言えば,彼女はとても聡明な方だと思うので。

by sobu (2013-04-02 15:21) 

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