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仲間を得るということ [音楽関連]

このところまた、書きたいことはたくさんあるのだがそれを書かないままに日々が過ぎている。
それはそれで寂しいことなのだが、まあいわゆる「リア充」(なんて言うと誤解を受けるが・・・)なのでいいことにしよう。

そんな状況の下でさてブログを書くかと思ったとき、それはそれなりに気合いが要る。気合いが入るための何らかのきっかけも要る。本当はこのブログではあまり音楽関係のことは書きたくないのだが、久しぶりに気合いが入ったので書いてみようと思う。

我が師・大山文史朗 のことについてはこのブログで何度か述べている。師は素晴らしい音楽家であり、トロンボーン奏者であり、同時に素晴らしい教師でもあると思う。表舞台から姿を消して久しく、また謂われのない中傷をする人もあって、氏の門下生でも彼の名前を出そうとしないプロ奏者が多いので、氏の名前を検索すると私のこのブログの記事が上位に並ぶ。個人的には大いにもったいない気持ちでいる。

先日、氏のブログを何となく見ているうちに、すごいものがネットに上がっているのを見つけてしまった。

東京チェンバーブラスコワイヤー(TCBC)第2回定期公演(1979年頃、横浜県民ホール)
ユジェーヌ・ボザ(E.Bozza):トロンボーン四重奏のための3つの小品

Eugene Bozza: Troi Pieces

1st mov. http://proxy.f1.ymdb.yahoofs.jp/bc/45114596_497d/bc/E.Bozza+1st.Mov.Three+Pieces+For+Four+Trombones.wma?BCe4XzPB8J0RJdyu
...
... ... 2nd mov. http://proxy.f1.ymdb.yahoofs.jp/bc/45114596_497d/bc/E.Bozza+2nd.Mov.+Three+Pieces+For+Four+Trombones.wma?BCnNZzPBMnoveB_3

3rd mov. http://proxy.f1.ymdb.yahoofs.jp/bc/45114596_497d/bc/E.Bozza+3rd.Mov.+Three+Pieces+For+Four+Trombones.wma?BCnNZzPBHu.cQgby

当時高校生だった私は、同級生に連れられてこのコンサートを見に行っている。
まだ曲目もよく知らない当時である。吹奏楽関係の人たちがたくさんいて、こういうアンサンブルのCDなどがたくさん出回っていた時代ではないので、よく知らない曲ばかりだったのだが、とにかく信じられない別世界の音だったことを覚えている。その演奏の1年ほど後、このアンサンブルのリーダーである大山文史朗に師事することになる。

氏は昔からオーディオなどに造詣が深く、録音も丁寧に残していた。その後TCBCは解散してしまい、録音なども散逸してしまったのだが、この演奏に再び出会えたのは本当に幸せなことだ。

もしトロンボーンや金管楽器の演奏に興味のある方は、是非この演奏を聴いてもらいたい。コンサートのライブ録音なので、細かいミスはある。だがその音楽は・・・

そもそもTCBCは氏の門下の音大生およびプロプレーヤーによって結成されたアンサンブルである。氏の温かい人柄と音楽に導かれ、素晴らしい演奏をしていた。ここに挙げた演奏はそのことをうかがい知るに十分である。しかし単に先生と生徒たちではない。氏のブログ記事にあるように、首席を師が務めていると言っても2,3の内声、4のバスが素晴らしい演奏をしているのだ。彼らの素晴らしい音楽性に何十年ぶりに触れて、改めて涙が出た。すなわち素晴らしい仲間たちなのだ。もちろん師を尊敬し,その指示に従っているとは思うが、その枠組みの中でも彼らの心、彼らの考えがあふれていて、それが師を含むメンバーに影響しているのだ。

師はこの路線をとても大事にしている。実はこのBozzaの四重奏曲は師が本邦初演を果たしているのだという。

ヌーヴォ・トロンボーン・カルテット(NTQ) 1972年
ユジェーヌ・ボザ(E.Bozza):トロンボーン四重奏のための3つの小品 本邦初演

(師の回想はこちら。)

およそトロンボーンという楽器は一人ではほとんど何も出来ない楽器である。無伴奏の独奏曲もないことはないが、とても少なく、余りポピュラーとは言えない。ピアノ伴奏の曲も色々あるが、オーケストラや吹奏楽などでも3~4人でチームを組んで和音を奏でるのが基本だ。

私自身もそういう活動をしている。オーケストラのセクションの一員として、またアンサンブルの一員として。ピアノ伴奏の付いた独奏も色々とやっている。しかしなかなかこれが難しい。プロでやっているのではないということもあり、なかなか上手く仲間が揃わないのだ。

いやいや、顔ぶれだけなら簡単に揃う。これまで何年もやって来たなかでは、今の状況は割合恵まれていると思う。だがこんな人たちのことを見るとうらやましくなってしまう。

これが難しいんだな、今日行われた内閣改造にしても、なかなか難しいなと思うところである。
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sobu

見てくれる人も減ってくるだろうところを見計らって、余計なコメント。

自分はもう練習量も少なく、技術的には下降する一方である。今回、兄弟子たる内藤睦雄 http://www17.plala.or.jp/gakuonji/jyuTsu.html の演奏を久しぶりに聴き、改めて驚愕するとともに、時間をどのぐらい使えるかは別として、もう一度楽器の音を作り直したくなった。

と同時に気付いてしまったことは、技術的には自分より遙かに上手でも、音楽的にはずいぶん違うところにいる人が多いということである。若い人たちの間でよく聞こえるのは「楽器が吹きたいんです」という物言いだ。しかし「何のために楽器を吹くのか?」と問い返したときに返答できないケースが大半だ。それはもちろん「音楽を表現したいから」であって欲しいのだが、残念ながらそういう教育を受けていないのだろう。もちろんこれは私のような「アマチュア」の話である。念のため。

by sobu (2012-06-07 16:42) 

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