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やってみるもんだ [英語を勉強する?]

この後期は,1年生の解析概論を担当である。

前期は極限の議論と実数論。それに続いて今期は1変数関数の連続性,可微分性,リーマン積分。
出来れば広義積分と級数論。

理学部数学科の発想からすると,何をもたもたやっているのかと思うかも知れないが,高校で「文系」だった学生が頑張って食いついてくるのだから,これぐらいゆっくりやる必要がある。

だがそれだけはつまらない気がしてきた。
最近は高校で理数系の科目を中心に英語で講義してみようというのもあるそうだ。

よしよし。こっちも英語で講義してみようか。
学生が「なぜ大学の微積分が出来ないか」と言えば,ε-δ論法の難しさである。それを克服する一つの方法として,全て英語で考えることが有効なので,それも動機の一つである。

今期初回の講義は,全く前触れもなく,誰にも言わずにいきなり英語で講義を始めた。初回はCantor の対角線論法を用いた実数の非可算性の証明。

さすがに驚いた風の学生たちだったが,こちらも当然気をつけるべき点は気をつけている。それは

1.導入については,小学校算数科の授業のように,例や易しい議論を用いて,学生の知っている話から始める。

2.術語に関してはきちんと板書する。単に綴りを書くだけでなく,知っているであろう例などを挙げ,その概念を説明する。ただし対応する訳語は言わない

3.重要なポイントは丁寧に板書する。たとえば背理法を使うときには背理法の仮定は「仮定法」で書くべきであるが,そこで用いる助動詞は必ず大文字で書き,論理展開のポイントを明示する。

学生から直接的な感想は聞けていないが,ずいぶん頑張ってついてきていた。

よしよし。それでいけ,学生たち。こっちだって楽じゃないが頑張る。

色々心配したが,まずはやってみるもんだ。この先は決して安穏とは出来ないが。
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