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第2外国語の効用 [英語を勉強する?]

チェコの首都・プラハと,スペイン・カタロニアの州都・バルセロナに計1年近くいたのはもうずいぶん昔のことになってしまった。懐かしく思いだされる。この長期滞在中,ヨーロッパ各地へ出張し,色々な言葉と接してきた.その中で,多くの国の人は,「自国語」「英語」「もう一つ」というようにたくさんの言葉を話す。プラハでオフィスを共用していたのはグルジア人だが,グルジア語,ロシア語,英語,そしてこのチェコで職を持っていることからチェコ語も勉強して話せるようになった。ある合宿勉強会で同室になったポーランド人は,歴史的なこともあるのだが,ポーランド語,ロシア語,英語,フランス語はばっちりだと自分でも言っていた.そして「オレのワイフはオレよりもっとロシア語は上手いし,ドイツ語も完璧だ.オレは3年も勉強したのに一生懸命やらなかったからちょっと日常会話程度しかできない.オレはバカだった,もっと勉強すれば良かった」とのたまう.

 翻って,自分自身のことを話そう.私は英語は「気合いのみ」である.ドイツ語は挨拶程度だ.だがこの程度のドイツ語でも大いに役に立つ.もちろんドイツ語圏に行って町中で役に立つのは当然だが,それだけではない.ドイツ語を考えると英語がよく見えてくるのだ.

 もっと面白い話をしよう.私の妻は日本人だが,英語はほとんど使えなかった.第2外国語はロシア語をとったそうだが完全に忘れたと言っていた.しかし来る前に少しだけチェコ語を勉強し,また来てからも途中色々とブランクがあるのだがチェコに滞在実質3ヶ月程度でも,ずいぶんチェコ語が使えるようになった.どうやらロシア語の素養が役に立ったらしい.面白いのはその先である.妻曰く「チェコ語を一生懸命読むようになったら,実は英語が簡単になった」妻は行く先々でその国の料理の本を買うのが趣味である(その本がどう使われているかについては述べない).もちろん,チェコ語で書かれたものもたくさん買い込んで見ているのだが,「チェコ語を思ったら,英語で書いてあることが何とすらすら読めることか」と言いながら,英語で書かれたボヘミア料理の本を見ている.おまけに,このプラハでイタリア語で上演されているオペラについているチェコ語の字幕が気になって仕方がない,でもおかげで細かい筋書きがわかった,と言っているのだから,何がどう幸いするかわからないものである.

 私も英語の成績は悪かった.英語で苦労している人もたくさんいるようだ.私の友人では共通一次試験(今の大学入試センター試験の前身)を受けるのに,英語は出来ないからと言って高校3年でドイツ語を選択し,ドイツ語で試験を受けた人がいた.結局最終的にはその経験が役に立ち,言葉の問題は怖くなくなったそうである.その後彼女はとても優秀な化学者になり,引き抜かれてアメリカに行き,結局アメリカ人と結婚してしまったのだから,分からないものである.

 昨今は「大変だから」という理由で第2外国語を課さない大学が多いそうだ.確かに自分自身も第2外国語は苦痛だったし,あまり勉強もしなかったのでほとんど使えない.しかしやらないのとやったのではずいぶん違う.年齢を重ねた後でも努力して色々な言葉を習得した人がいると聞く.よし,Sobu研でもフランス語かロシア語で書かれた本をやるか(曽布川が先に音を上げるかも?!)


(大昔に書いたものを少し更新して転載)

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