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不快だった「仮面舞踏会」 [2000-2001 in Barcelona]

不快だった「仮面舞踏会」

 不快だったことについて覚えている範囲でざっと書く.ネタをバラすことになるのだが,敢えて書く.

 最初はトイレである.廻り舞台に沿って20ほどのトイレがあり,それぞれにスーツを着てズボンを降ろした男性が新聞を読みながら座っている.そして中心の1人がピストルを取り出し,その個室の屋根裏に隠す・・・.ビジネスマンと思しき設定だろうが,ちょっとやりすぎでは.でもまあこれなら笑って許すことにしよう.

 次の不快な場面は,女声合唱の酒場?赤線?の場面.合唱団はみんなボディコンやら肩が大きく開いて胸元が露わなドレスやら,まあ色っぽいのだが,そのうち両袖からガウンを着た男女が別々に出てきた.そしてガウンを脱ぐと全裸(よく見えなかったが男性はTバックのような小さい下着をつけていたようだ.女性は本当に全裸).そしてなにやら赤い塗料のようなものを塗りあっている.ムードを出したいのは分かるが,こんなに大きな劇場で,真ん中に一組男女が絡み合っていてもムードは出ないし,そんなことをしなくても妖しいムードは出るはずだ.いくら大人が見に来るべきものだからといっても,こんなものをオペラの舞台に出す必要はないのではないか.

 そして一番不快だったのは,「軍隊」を表しているのだろうと思うのだが,2幕で男たちがケンカをしている.それで終わるかと思えば実はケンカではなくて・・・・・かつて日本でも僧坊などであった行為を,本人の了解を得ずに暴力的に行う(これぐらいの表現でご理解下さい)・・・・・これが最初の booing だった.最初はまさかと思ったが,その「被害者」はこれまた全裸のまま舞台に幕の終わりまでいて,その後他の人に引きずり回され・・・・・

 あまりにも不快で,booing も当然だと思った.こんな表現を使う必要があるとは思えない.Sex でも暴力でも動物としての人間の根底にあるものだから否定する気はないし,オペラは恋愛と欲望について題材にする者が多いからある程度は分かるのだが,この舞台について言えば演目に対して全く必然性がない.こんなことをするぐらいなら,もっと他にすべきことがあるだろうに.

 2幕が終わって帰ろうかと本気で思ったほどであるし,3幕冒頭の指揮者へのbooingはこうした演出に向けられたものかと思ったほどだった.

 

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