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モーツァルト 楽劇「魔笛」 (Statni opera) [2000音楽三昧 in Praha]

モーツァルト 楽劇「魔笛」 (2000年11月26日(土)プラハ国立オペラ)

 つい先日同じものをここ Statni Operaで見たばかりである.特に気に入ったわけではないのだが,愚息・ぴよのしんにもう一度Operaを見せるチャンスを探していたこと,そして Stavovske に「魔笛」を見せようと思って連れて行ったら,突然「フィガロ」に演目変更になり,準備をしていなかった息子が1幕の最後まで見てあとは耐えられなかった,という一件,そして Stavovske divadlo の「魔笛」は子供に見せるにはあまりにも難解であること,そして前回この Statni で「魔笛」を見て比較的面白かったことがあって,再度行くことにした.

 おめかしをした息子のことはどうでも良いだろう.問題は舞台の出来のことだ.歌手陣では Pamina の J.Svobodova と Papagena の J.Markvartova の女性陣と Monostatos の J.Hruska が素晴らしい.Papageno の M.Rehor は,台詞のところは良い.出来れば「笛」はもっと練習して違う形にして欲しかった.歌はイタリアOperaを歌ったらいい歌手なんだろうと思うが,モーツアルトをやる限り,こうした Semple Vibrato & 歌詞は何を言っているのか全くわからない,は良しとはしたくない.他の演目なら良かったのだろう.また見てみたいと思う.Tamino の T.Cerny は,持っている声の目一杯を出したが,それ自体がそれほど大きくないので,聞き心地としてはちょうどいい.ただ少し頑張りすぎたように見えた,とは同道した妻の感想.この日朝から,この人を含む歌手陣が歌った,チェコのクリスマスミサ曲(J.Rybi 作)を聞いて,とても良いと思い,同時にそのジャケットで,元々は工業大学を出てエンジニアを6年やったところで転身したという話.最初は合唱団員として,そしてついにはこの Statni に常時出るようになったのだから,分からないものである.

 関係ないが,面白いのは,まったく予断なく聴きに行っても,良い演奏だったとおもう歌手はいつも同じだということか. 

 この日のオケと指揮者に関しては,悲しい思いをした.前回の「魔笛」もこの人だった.そのときは特に悪いとは思わなかったのだが,この日は2ndバルコニーサイドから見ていたので,指揮がよく見えた.序曲,最初の方で 2nd Vn が崩れた.まああの指揮でそう崩れちゃ,かわいそうだぜ,と思ったのだが,そのあと木管も転びまくり.ここまでは指揮者を援護してやる気になった.だが・・・見ていると合わせることにきゅうきゅうとしているようだ.どことなく怖々振っている感じ.だからオケも安心して演奏できなかったのか.例えば2幕は最初例の Sarastro のアリアにつながる荘厳な場面だが,入ってきて譜面代の上に置いてある指揮棒をもって構えるまでの仕草を見て,戦争の場面でもやるのかと思ってしまった.この指揮者は新人じゃあないのだから,ビビっていたなんてことはあり得ない.こんなわけで,この指揮者は許し難い.子供3人組もきれいにハモっていたのに,指揮が甘いので出がばらけて崩れたところもあった.結局全体的に引き締まった感じのない,甘い演奏だった.

 ここまでなら「許し難い」で終わるのだが,その昔,自分がオケの演奏会で指揮をさせてもらったときのことを思い出した.本番はラッパを吹くつもりだったのに直前2週間になって「曽布川君も指揮の本番があった方がいいでしょう」と,棒振りの師匠が言い始めて,指揮させてもらうことに.しかし2曲プロのうちのアンサンブルの出来の悪い方で,しかも,やばいパートにやばい顔ぶれがいて,本番までそのお守りに一生懸命になってしまい,音楽をするというレベルに全く行かない,やっとこさっとこ合わせただけ,という演奏になってしまったのである.そんなものと一緒にしては全く失礼なのだが,そんな昔話を思い出して悲しくなった.

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