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スメタナ 楽劇「売られた花嫁」(Narodni Divadlo) [2000音楽三昧 in Praha]

スメタナ 楽劇「売られた花嫁」(2000年11月11日(土) 14:00 ~Narodni Divadlo)

 時間帯まで書いたのは,夜同じ演目を再度上演するからである.この「売られた花嫁」は,昨年のプルミエを見る幸運に恵まれた.そのときの感想は

あ~あ,これぞチェコだ,こんなバレエは他では絶対に見られない,すごい歌,特に合唱・・・・

という,感激,感激であった.それをまた見に行ったのは,もちろんまたそれを味わいたいからだが,本当の目的は,3歳になった息子・ぴよのしんに見せたいということだった.すでに「Brassisimo・Wien」の演奏で曲を知っていた序曲,そして各幕ごとに踊られる3つの舞曲をCDで連日さんざん聞かせ,直前2週間は全編もののCDまでかけて息子の耳になじませてこの日を迎えたのだったが,それが結果的に私自身にも大きくプラスに作用した.もうすぐに終わったという感じ.息子を抱いて,1stバルコンサイドでの観賞だったが,息子はもう1幕はノリノリ.終わってすぐに「あ~面白かった」と曰う始末.だが息子を膝に抱いていた私も,あっという間に過ぎた1幕であった.2幕,3幕も同様.最初に見たときはちょっと長いなと思ったバレエのシーンも,もうすぐに終わってしまったという感じだった.演出,バレエ,共に最高.もうこれをプラハで見るチャンスがある人は本当に幸せ.

 この日の演奏について述べよう.この演目の音楽担当はこの劇場の音楽監督の B.Kulinsky である.他のページで「今日は Kulinsky だった,がっかり」みたいなことを書いたが,それは私が彼のことを知らなかったからであって,色々と他の指揮者を見ていくうちに,「他の人が作った音楽を,代わりに指揮して,自分の音楽にして上演する,しかもリハーサル無しで」というのはどんなにすごいことなのかが分かったのだった.だからあらためて Kulinsky が自分で作った音楽を,そう思ってもう一度聴きたかったのだが・・・・この日の指揮者は,また知らない人.Premysl Charvat という人.出てきたら,結構ベテランじゃないの.ふーん,わかい指揮者がどんどん出てきて,ロートルはメインの音楽担当なんかさせてもらえないんだろうなぁなんて失礼なことを考えたのだが,序曲が始まってその考えは全く一変した.序曲の指揮は完璧.オケも頑張ってそれに答える.おやおやすごいね,この人.さすがベテランか.舞台が始まってもその緊張感とツボを心得た指揮は変わることがない.正直に言えば,ソリストは Jenik の A.Zdunikowski 以外は気に入らなかったのだが,この指揮者とそれに答えたオケ,合唱,そしてバレエだけでも充分見に来が甲斐があった.最高だった.妻はすでに先日これを見ているが,比べても同感だという.驚いたのは

最後のカーテンコールで指揮者に向かって後ろの合唱団,ソリスト全員が大きな拍手をしていた

ことだ.まずこれまでそんなことは見たことがない.だれもがその指揮ぶりを認めたのだろう.そして指揮者にも花束贈呈.贈呈者は誰だかよく知らないが,普通女性が,と思うところ,年配の恰幅の良い男性だった.つまり劇場のお偉いさんなんだろう.どういう経緯かは全く分からないが,とにかくこの指揮者の演奏で聞くことが出来たことは本当に幸せだった.ちなみにこの日の夜の部は B.Kulinsky の指揮.こちらも立ち見でも行こうかと思ったが,それは品がないのでやめた.ソリストは全員入れ替えだろうがオケや合唱団はそうはいかないだろう.こういうときに後から入る側は辛いだろうなと思った.

 
追記: Premysl Charvat 氏は2005年に他界。立派な指揮者だった。引退公演だったのかな。
http://en.wikipedia.org/wiki/P%C5%99emysl_Charv%C3%A1t
(2013.10.28 記)

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