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モーツァルト 楽劇「魔笛」 (Statni Opera) [2000音楽三昧 in Praha]

モーツァルト 楽劇「魔笛」 (2000年11月10日(金)プラハ国立オペラ)

 つい先日,Stavovske divadlo でこの「魔笛」を見てきたばかりである.はっきり言ってあれは酷評した.ああした「現代風」の演出を決して嫌いではないが,演奏がきにいらないとどうも怒りっぽくなってしまう.これまでいくつかのオペラを Narodni/Stavovske と Statni で見比べてきたが,むしろその分大いに期待してこの日は見に行ったのであった.

 演出のベースは伝統的なものである.原語上演だったが,それはどうせ私にはドイツ語だってチェコ語だってほとんど分からないから,同じようなものだ.だが,今回は「笑わせてくれる」感じはあったと思う.どう見てもむちゃくちゃな理不尽な筋書きだが,そんなことはオペラではどうでもいい.面白ければ.その点では合格.舞台は明るい作り.客席まで張り出しての演出は,この劇場を上手に使った感じで楽しかった.

 演奏について.まず3人のPrayer(巫女かな?)は声の質が合わな過ぎて,どうしようもない.どちらかというとその3人を分けたような感じの演出ではあったが,音楽は,少なくとも3重唱はハモらなくては.その点が最低.ザラストロも,威厳を出すためかも知れないが,頑張って低音を一生懸命歌っている感じ.ちょっと哀れ.低音の発声が難しいのは分かるが.完全に気に入ったわけではないが,名前を挙げたいのは夜の女王のD.Vankatova. 高くてやばい,有名なアリアについて,最高音域にチェンジしたらそこはすごく美しかった.その少し下の高音域との行き来も難しいが,これは練習とキャリアでどうにかなるものだ.最高音域の美しさを生かして,これからさらに頑張って欲しい.

 このまえの Stavovske でもそう思ったのだが,子供はまじめに一生懸命練習し,そのまま演じるから,波は少ないようだ.今日も一番良かったのは3人の子供たち.

 直接関係ある話ではないが,J.Chalupecky がこの「魔笛」の音楽担当だそうだ.彼の指揮をさんざん Narodni 系で見ているが,そちらは自分が作ったものではないからか,あまり良くなかったが,この音楽づくりは良かったようだ.この日の指揮者のR.Hein も他の演目の音楽担当をしていることからも分かるとおり,評価が高いようである.この日はたとえば序曲などは上手にドライブしていたが,場所によってはあらが目立った.人がテンポを決めてくれたものをリハーサル無しで覆すのは大変なんだろうと思った.

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