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やはりよく見てみないと [読書感想文?]

こんな本を読んだ。

テレビが政治をダメにした (双葉新書)

テレビが政治をダメにした (双葉新書)

  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2013/04/05
  • メディア: Kindle版


かつて文部科学副大臣を務めた人物である。本書で経歴を見るまでは知らなかったのだが、もともと通産官僚であって、霞が関の閉鎖性に辟易し、そこを飛び出てSFC(慶應義塾・湘南藤沢キャンパス)の教員となり、民主党から参議院議員に当選し、民主党内閣の時に文部科学副大臣を務めた人である。よく見れば私と同じ年齢。

色々な意味でやり手だとはおもっていた。だが直接的に氏の主張を見たのは「電子教科書導入」の話であった。その主張を見ていると、教育へのICT導入を声高に叫ぶ人で、メリットのみを主張しているように思えた。だからどちらかというとアンチの立場でこの本を手に取ったのだが(実は発売記念大特価セールスだったこともある)、実際に話を読んでみてよかったと思う。そもそも現在のマスコミ、特にテレビの持つ影響力とその問題点を実例をふんだんにあげて述べている。歴史的というにはみじかすぎるかもしれないが、時系列に沿って細かく述べているが、同じ年であることもあって、自分も経験した実感を持って読める。詳しい話は挙げないが、親近感を持ってしまったことは確かである。

しかしそれでも。

ICT導入に関する氏の立場は,メリットを語りましょう,良いものだから推進しましょう,の一辺倒であるとその関係者は述べていたように思う。だから私はアンチの気持ちでいたのだが,この本を読むとそうではないようだ。むしろリアルな体験、アナログな見方と併用しようという意見のようだ。

やはり直接1次情報に当たるべきである。

ちなみに私は、それであってもICT導入には警鐘を鳴らし続ける。というのも、本来はリアルなものやアナログなものと並立すべきものだが、ICTで得られる情報刺激が大きいことと、学校現場の状況からしてその手軽さにかまけて、デジタル一辺倒になることは間違いないからだ。

しかし少なくとも「通産省出身の」「電器屋の手先の」という言い方で括ってはいけないことがわかった。

少なくとも、その使命についてこれだけ一生懸命考えて政治をやっている人というのをあまり知らない自分としては、どちらかと言えば応援したい人である。


実は本稿は2013年7月13日に書いている。折しもこの本のKindle 版が出たのが7/8。著者の鈴木氏が参議院選挙を戦っている最中である。法律上問題はなくなったが、その関連でとらえられても面白くないので、投票が終わったこの日の公開とする。なので,本稿が世に出たころ、氏がどのような立場にあるかは不明である。

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sobu

で、つい先ほど、氏の落選が報じられた。この前、久しぶりに「教員養成6年制に反対する」インタビュー記事の特集の中に、推進側でスズカン氏の発言が載っていた。私とは意見が違うが、キチンとした意見だったように思う。

スズカン氏には次の然るべき立場で、また大きく活躍してほしいと願うばかりである。
by sobu (2013-07-22 00:22) 

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