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「文系」の指導の仕方 [教育について]

最近、教育界における「反動的」「守旧派」の論者の1人としてまつりあげられている気がする(爆笑)

本ブログをご覧いただければわかるとおり、曽布川は

○ 算数・数学へのICTの導入にひどく消極的
○ 教員養成6年制に強く反対

である。

今夏、突然その編集委員の先生からご連絡をいただいて寄稿させていただくことになった拙文が公になった。

算数・数学教育とICTの不適合性
コンピュータ&エデュケーション vol.33 pp.22--33  
特集「教育とコンピュータの適切な関係 -教育論と方法論から-」
抄録はこちらから

慌てて書いた部分もあり、自らの文章力のひどさには改めて愕然とするのだが、驚いたのはこの特集の記事紹介の文章である。編集委員である中村彰氏(秋田大)がこの特集の下にある5本の記事について紹介して下さっている。雑誌や学会の性格からみて拙稿は完全な「異端者」のもたらす論であるが、氏は議論があちこちに飛んでいる(謙遜ではなく)拙い文章を丁寧に読み、書いている私自身がしっかり認識していなかったような形で整理して下さっている。少々遠慮して表現を弱めて書いた部分についてこちらの想いとは違う解釈も見えるのだが、そのことも含めてこういう形で「対話」することには大きな意味を感じる。すなわちこのまとめによって自分の考えている内容が整理され、深まったのだ。

高校生になり、そろそろ進学に関連して「理系」「文系」の選択を迫られている長男と話しているときに言ったことなのだが、私は残念ながら日本の「文系」と言われる大学・学部にはあまり信頼を置いていない。陳腐な内容の一方通行のマスプロ教育を受けるだけであるならば社会に出て役に立つ力などつくはずがない。さらに言えば、もっと濃密であるべき「研究指導」に於いても、こうした「議論の深め方」を実際に付き合ってやってみせることが必要である。昔は単に「ほら、論文を書いてこい、見てやるから」といった調子の「指導」も多かったようだが、それは指導ではなく、論文提出の「場」を作るだけだ。

こう思っていたところで今般拝読した拙文に対する紹介記事は、自分に対する「文系的な論文の書き方の指導」というべきものであった。

改めて 秋田大医学系研究科・中村 彰氏、そしてこの機会を下さった 名古屋大情報学研究科・中村泰之氏に深く感謝を表したい。
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sobu

ちなみにその「反動的」のもう一つの論点についても、近々インタビュー記事が公にされる予定である。そのときにはまた紹介しよう。
by sobu (2012-11-30 12:22) 

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