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ああ就活! [社会の問題について]

私が勤務するのは教員養成学部/研究科である。

「目的学部」なんていうよくわからない表現をするのだが,結局のところ昔の師範学校なわけだし,職業訓練校だと言えばその通りだ。

ただし,ちょこちょこっと「教育学」「心理学」「教え方」を勉強するようなことでは済まなくて,学問内容についても深く知り,その知見の上で教育に立ち向かう力を養成するところである。そのため,教員になるには「大学」を出る必要があり,「大学」で教員養成を行っているのである。

自分の専門の研究に関係あることしか興味がないという教員もいないことはないが,ほとんどの教員はその専門領域を「教師として必要な能力をつけさせる」ことを念頭に学生に指導している。

特に私自身,高等学校の現場にいた経験もあることから,一生懸命やっているつもりだし,実際,県下の学校現場でも卒業生が名指しで誉められているようだ。

だがこういう「目的学部」でないところでは,そんなことが顧みられることは少ないかも知れない。
大学は役に立たないことを学ぶところだ
とうそぶいてみたいとは思うが,なかなかそうも行くまい。

現在,生まれて初めて「縦書きで出版される」原稿を書いている(書き上がったら/出版されたら紹介するかも知れない)。その取材のためもあってこんな近刊を読んでみた。

大学キャリアセンターのぶっちゃけ話 知的現場主義の就職活動 (ソフトバンク新書)

大学キャリアセンターのぶっちゃけ話 知的現場主義の就職活動 (ソフトバンク新書)

  • 作者: 沢田 健太
  • 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
  • 発売日: 2011/10/17
  • メディア: 新書



噂には聞いていたが,大学生が3年ぐらいから就職活動に忙しくて勉強するヒマがないなどと言い出す状況について知らなくてはならないと思った。

本書はいくつもの大学のキャリア・センターに勤務した経験のある著者の手によるもので,生々しいものである。それを読んでの感想は
こんな無駄なことに我が子の時間と労力を割かなくてはならないのか? 

という個人的なことと,
こんなことを日本中の大学3,4年生がしているようでは,この国の未来はないな

という全体的なことである。

この致命的な状況を打開するには,企業の側が,また社会が変わらなくてはならないわけで,ここでいくら吠えても意味が無い。

だが出来ることはある。少なくとも
学生の進路の視点から自分の学問の話を展開するといった発想と技術のある教員(p.255)

でいなければならない。先に述べたように教員養成学部/研究科だから出来るといえばその通りだが,とにかくこれを続けていく。




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履歴書の封筒の書き方

とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
by 履歴書の封筒の書き方 (2011-12-15 12:01) 

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