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オレはおじさん,古い人種 [社会の問題について]

バンクーバー五輪に出場するスノーボード選手の服装関連のことでマスコミが賑やかである。

たとえば日経ビジネスオンラインの小田島隆氏のコラムなどに,しっかり書いてあるので何を今更だとも思うが,まあ一言。

「若い者」が世間の規範に挑戦しようとして「年寄り」からたたかれるという構図は,常にあちこちで起きてきたことである。何千年も前から「今の若い者はなってない」という言い方がなされてきた。

今回の話も,どうやら本人はそのレベルでの自覚は全くないようだが(その意味ではとても幼いと思うけれど),若者が昔からある「社会の常識」に挑戦しているのである。

世間の意見は「まあええやん,若いんやし」などという無責任迎合タイプと,「税金を投入して行かせてもらっているのだから,ちゃんとしろ」という守旧派タイプに分かれる。

長野五輪のフリースタイルスキー・モーグルで金メダルを取った里谷多英の競技中のテレビ解説者の物言いが品がないとして悪く言われたことを思い出すのだが,今回はあれとはずいぶん違うと私は思っている。

それは,そもそもオリンピックというのは,近代オリンピックと呼ばれるようになった後でも,ヨーロッパの貴族のお遊びの感覚が抜けていないということである。

ここで言おうとしているのは直接的には
オリンピックの汚れた貴族

オリンピックの汚れた貴族

  • 作者: アンドリュー ジェニングス
  • 出版社/メーカー: サイエンティスト社
  • 発売日: 1998/02
  • メディア: 単行本


というようなことではない。むしろ玉木正之氏のIOCに関する説明を見てもらいたい。IOCの委員は各国代表なのではないという話はなかなか驚くべきものである。欧州の貴族たちが集まって,気に入る人を委員として各国に派遣しているというのである。

だからいわゆる「欧州標準」(という言葉にも色々と語弊はあるが)を外れることに対しては非常に差別的な目でものを見ている。野球やソフトボールが競技として採用されなかったのも,根底には「あんな野蛮な奴らがやる種目はいらない」という発想があったのだろうと思っているくらいだ。

それを考えると,今回の服装問題は,日本という国がバカにされる原因になりかねないと思う。私は充分おじさんだが,もっと若い世代のことを考えると,日本が外国からそういう目で見られてしまうということになるのではないかと危惧している。

アメリカは服装についてはもっとくだけた国だと思うが,彼らもいざというときには意外にちゃんとしている。というのも今回のような「ムショ帰り」スタイルで公の場に出てきたら,バッシングどころかそれこそ差別的な扱いを受けるのだ。だから誰もそんなことはしない。「アメリカ発の若い人のファッションだ」からなどと無責任なことを言う人は,あの国がひどい差別社会であることを知らないのだろう。

「ドレスコード」という言葉も改めて考えなくてはならない。これは家庭教育のすべき仕事だと思うが。

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