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郵政民営化 [社会の問題について]

どうもこの問題についての議論をみていると,頭が悪すぎると思ってしまう。

聞こえてくる(表向きの)議論の流れについて整理してみよう。

賛成派
 1.郵便事業については,宅配便各社などと公平な競争をさせていくべきである。実際,小包やメール便などの分野で値段が下がっているではないか。
 2.簡保・郵貯については,民業圧迫とも言われていた現状を思えば,公営企業でやるべきでない
 3.簡保・郵貯のシステムによって集められた資金が,財政投融資などにより無駄な“公益”法人などに流れている。

反対派
 1.郵便事業は,信書の秘密などを確保するためにも国営がよろしい
 2.全国一律のサービスである郵政3事業が民営化により効率性の観点から地方切り捨てにつながる可能性が高い。

だいたいこんなところか。他にもあるようだが,取り上げるべきものをよく知らない。

「頭が悪い」呼ばわりをしてしまうのは,たとえば

 全国一律のサービスが保証されない → 民営化すべきでない

という短絡的な結論に向かうことである。私程度の素人でもじっくり考えれば

 信書の秘密の保持が危うい → 財政投融資に無批判にお金を流す現状を維持すべき

という議論になっているのがおかしいということはわかる。つまり「反対のための反対」という議論でしかない。さらにひどいと思うのは,こういう問題を解消するために4分社化したのではなかったのか。「閣下」とか言われる人は,「4分社化について人々はわかっていなかったのではないか」などと言っていたようだが,わかっていないのは誰だ。

「宿泊施設売却」「郵便局庁舎保存」などという瑣末な話はさておいて,

 1.簡保の存在意義はないと言ってよい。
 2.郵貯は「全国津々浦々で使える」を除くと存在意義は薄い。「国が保証している金融機関だ」というのは良し悪しである。
 3.郵便は「信書の秘密」のことだけは気になる。しかし電信電話事業の例を見れば何とかなる。まあ最近 google はクラウド・コンピュータの信頼を揺るがすような事故があって訴訟も起こされたけれど。こちらの「全国一律」については,現在「田舎に配達してくれない宅配業者」はないわけで,コストを細かく算定したら地域によって価格差が起きてしまう可能性は否定できないが,民営化もやり方次第である。
 4.他の3事業における問題点を考えると,郵便局会社をどちらかというと国策として支えることは大切であるといえるかもしれない。「全国どこでも」というのは近代社会に必要なインフラであるともいえる。そのためにかかるコストはある程度国民全体で負担する必要はあるかもしれない。

注意:「近代社会」と述べたのであって,「現代」「未来」とは言っていない。

こういう議論を聞いたことがない。どうして世の中が今のようなくだらない議論に終始しているのか,私にはわからない。
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