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縦に書け! [日本語について思うこと]

昨日に続き,斎藤孝氏と武田双雲氏の対談記事を読んでいて。

斎藤氏は書道における「構え」の重要性を指摘する。書道では腰を立てて「きちんとした」姿勢で書くわけだが,そういった身体的なことが態勢を作り出すのだという。

そこで思い出したのが,

 石川九揚 「縦に書け!―横書きが日本人を壊している」 (祥伝社)

この著者は私でも名前を知っているぐらいの著名な書家である。

この本に書かれていることは

「横書きに日本語を書くことによって,様々な身体的な問題(リズムなども含むようである)が起き,人々,特にこどもたちに 悪影響を及ぼしている」

という話である。例えば平仮名は縦書きの漢字(万葉仮名)を書きやすいように崩して行って出来たものであるから,横書きは不自然な動きになるはずであるというのは(トンデモ科学呼ばわりされるかも知れないが)私は感覚的に納得できる。

書道における腰を立てた構えは縦書き向きに思える。昨今は欧米の影響から,またコンピュータの影響から横書きで書くことが多いが,それが様々なところに悪い影響を及ぼしていると石川氏は言う。最近は横書きでさえも手で書くことが少なくなり,さらに

木公山土成 (松山城)  タロ人 (名人) 

といった遊び(隠語に近いかも知れないが,パズルと見れば面白い)などがネットでは普通になってきた。

ちなみにこれは変な話ではない(「粂」という字は「久」「米」がくっついたものであるから昔からやっていることだ)が,状況が変わって来ている(昔を規準にすれば狂ってきている)ことには間違いない。

私個人も,このことが気になっていて,(数学の内容では難しいのだが)可能な限り黒板に縦書きに書いて自分自身がどうなるか感じてみようとしている。


縦に書け!―横書きが日本人を壊している

縦に書け!―横書きが日本人を壊している

  • 作者: 石川 九楊
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2005/06
  • メディア: 単行本



おまけ: 齋藤氏と武田氏の対談の最後に,私塾の可能性についての言及があり,齋藤氏の

「教育欲のあるおせっかいな人,三百人求ム」

で話が終わっている。 その三百人のうちの一人にナラムとして手を挙げている私である。
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