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G.Varga/バルセロナ管弦楽団 ブラームス交響曲第1番他(L'Auditori de Musica) [2000-2001 in Barcelona]

G.Varga指揮 バルセロナ管弦楽団 ブラームス交響曲第1番他(2001年3月4日(日) L'Auditori de Musica)

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 帰国まで間がないこの日,本当はコンサートなど行くつもりはなかったのだが,このオケのシリーズの第17回になるこのプログラムに,世にも珍しい Bass Trombone の協奏曲があるというので,無理に出かけたのであった.

 それは Amargos というスペインの作曲家の作品で,今回が初演だったようである.ソリストはこのオケのバストロ奏者・Raul Garcia.前回のマーラーを聴いて,そんなに期待をしてはいなかったのだが.

 曲は3楽章構成,急緩急になっている.1楽章はそれでも比較的おとなしめ.普通クラシックの奏者はスライドを使ったビブラートをしないのだが,それを多用,むしろそうした奏法を得意とするジャズの雰囲気を出そうとしているようだ.実際この作曲家もジャズ系で大いに認められた人らしい.プラハで見たオペラ Faidra の作曲者もそうだったし,W.マルサリス(プラハで 「All Rize」 を聞いた),すこしブームはさめたかもしれないが Piazzora もなのだが,クラシック,という枠に閉じこもることは良くないと思う.その点では楽しい曲であった.2楽章とともに,すこし現代音楽らしく,音階としては奇妙だが,演奏してみたいと思うようなメロディを奏でていたとおもう.例によって3楽章は「技巧的に勝負」みたいな楽章で,私が演奏するには多少苦しいなとも思ったが,音域的にもバストロとして妥当(中央ハから見て2オクターブ半下から1オクターブ上まで)なもので,まあ何とかなるだろう.だが,困ったのはバックのオケだ.まず編成は,木管がフル3管(Piccolo, Cor Ingle, Bass Cl, Contra Fg),金管もフル4管(トランペットも!).打楽器は5人掛かりで,Timpani の他にBass Dr. Snare Dr.,合わせCymbal,Stand Cymbal 2つ,マリンバとヴィブラフォーン,グロッケン,さらにピアノとハープ.当然対抗して弦は14-13-12-11-8 という大きさ.でもまだそれはともかく,現代音楽らしく不協和音をどんどん使う.だからメロディに明暗の色があるのに,全曲を通じて暗いイメージがつきまとって,演奏する側はともかく,聴く側には心地よい物とは思いにくい曲であった.どうもトロンボーン,しかもバストロなんてのは,まともな曲はないと思わなくてはいけないのかもしれない.

 ソロの演奏そのものは,結構楽しめた.席が悪く,日本式に言えばオープン・ステージの上手側,ちょうどソリストはベルに隠れて吹いている顔が見えないところだったのだが,スローのメロディでの音色の使い方を中心とする歌い方や,中音から最低音までの均一な音色など,楽しく聴くことが出来た.早く日本に帰って,ラッパが吹きたい,と思うこの頃である.

 メインはブラ1.もちろんオケも指揮者もこの曲をよくわかっているのだろうが,謝肉祭週間の日曜のマチネ,午前11時から開演,前夜7時からコンサートをやった後だから,すこし緊張感が崩れていたのか,オケで和音を壊すことはなかったものの,飛び出しが結構目立った.これまでの関係がすでに深いためか,指揮者がオケを信頼していて,その指揮ぶりは本当に清々しく,また演奏も高潔な感じの演奏で良かったのだが.1曲目はサンサーンスのなんかの序曲.特にコメントはない.きれいだった.

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