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Budapest にて [2000 in Budapest]

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ゲレルトの丘から見たブダペストの街です.

向かって左が王宮のあるブダ地区,右側が市街地になっているペスト地区です.

 直接の仕事のためではないのですが,長期入国査証の申請をあきらめた妻子がプラハに期間中滞在するために,一旦国外に出なくてはならず,またこの9月下旬に大きなイペントがあってプラハの街が混乱することが予想されていたため,その間ブダペストに行って来ました.

 もちろん,音楽を愛する私ですから,リスト,バルトーク,コダーイが活躍し,「ジプシー音楽」をたくさん聞くことができるこの街は大いにエンジョイしたのですが,考えてみれば,世の中には観光案内というようなものはたくさんあり,それをさらにここで行っても単なる自慢話になってしまうので,今回はたくさん画像を公開することをやめ,この街で思ったことを述べるのを中心とすることにしました.

街の印象


 まずこの街について思ったことは,この街はプラハと基本構造が同じだということです.大きな河の両側に街があり,片側が市街地で経済の中心,もう片側に丘があってその上に王宮(城)があり,そこが政治の中枢になっているということです.しかし街を歩いてみた感じだけで言うなら,ブダペストの方が都会の感じがします.それは西側に早くから解放されているということもあるでしょうし,アジア系の人々が住んでいるからかも知れません.少なくともプラハは「繁華街」と言うべき場所が中心に固まった感じがあるのに対し,ブダペストはいくつかの(それほど大きくはない)繁華街が分散しているという感じです.日本の都市に例えて言うなら,2つの都市はサイズはあまり変わらないと思いますが「ブダペストは大阪,プラハは札幌」といった感じでしょうか.

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ドナウ河に架かる橋の中でもっとも美しいものと言われる「鎖橋」の夜景を撮ってみました.三脚無しですから,これで勘弁して・・・・

 ブダペストを流れるドナウ河は雄大で素晴らしい景観ですが,個人的な好みではプラハのヴルタヴァ河とそれにかかるカレル橋の方が好きです.

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これが聖イシュトヴァーン教会です.ハンガリー建国の父・イシュトヴァーンⅠ世が聖人として祀られています.中はあいにく改装中だったので写真は撮りませんでしたが,その色使いや構成はおよそ西洋のものとは別のものというべきでした.少なくとも,同じ「聖シュテファン」教会でも,ウィーンのそれとは全く別物です.

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リスト音楽院の正面玄関です.街の中心にそびえ立ちます.まわりは楽器を持った人がたくさん行き交い,練習する音が盛んに聞こえてきます.

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これはブダペスト歌劇場正面玄関脇のF.List の像です.反対には創立者の作曲家・F.Erker の像があります.歌劇場についての私の感想はこちら

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この奥に見えるのが,王宮の入り口・ウィーン門の脇にある建物です.何の建物かはよく知りませんが,とてもおしゃれな外装ですね.こうした建築はプラハにはあまり見られません.

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これは中央市場です.珍しい色使いだろうと思います.やはりマジャール(ハンガリー)人はアジア系の人々で,西欧の人たちとは違うセンスを持っているようです.上の聖イシュトヴァーン教会や,コンサートホールとして,リストやバルトークも演奏した Pest Vigado の内装は,これをもっとはっきりさせて持ち込んだようなものでした.

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特別なものではありません.泊まったオペラ劇場の近くのホテルの部屋の窓から撮ったものです.たとえばプラハと比べると,それぞれの建物の外装にとても凝った装飾が施されています.しかし今はそれをきれいに塗り直す経済的な余力がないようで,この建物だけでなく,多くの建物が無惨な姿をさらしています.


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もうお決まりとなってしまった,私の「ビール姿」です.これはなかなか素晴らしいビールでしたが,残念ながらドイツのビールだったようです.

街並みを保存して欲しいなぁ


 似たような大きさの街でもムードは違います.それ以外にも大きな差が色々あります.今回は「観光地価格」で飲み食いなどをしました.あまりに高いのでびっくり.日本の8割ぐらいの値段というところでしょうか.プラハでは「観光地価格」でも半値程度なので,大きな違いです.またここにあげた写真に解説を付けたように,ブダペストは洒落た感じの建築が多いのですが,それぞれの状態がひどい.壁が崩れて破片が落ちてくることなどしょっちゅうです.プラハではそんなことはない.同じように「旧東側」の国であっても,国力が違うのか,人々のお金のかけ方が違うのか,物価が違って補修・改築ができないのか,理由はわかりませんがとにかくブダペストの方がひどい.もしこれをきれいに改修し直したら,ものすごくロマンチックな素敵な街なのに,と思いました.地下鉄は歴史があり,昔の姿を保存・再現して今も使っているのですから,街並みもそうできればいいと思います.少なくともプラハならそういう悲しさは思わなかった.

プラハに負けるな

 どうしてもプラハとの比較になってしまいますが,ブダペストでは正直なところレストランに苦労しました.たとえば地下鉄1号線の「Oktogon」周辺は,どう見ても繁華街というべきですが,レストランが少ない.カフェは多いのですがレストランは絶対数が少ない.だから食事の時に困りました.やっと見つけても他と比べてみるわけにはいかない.もちろんヴァーツィ通りやドナウ河の河畔にはたくさんあるのですが.プラハでは繁華街といわれる辺りをはずれても,いくらでもレストランがある感じ.これでやっていけるのか?というくらいに.飲食関係には手厚い保護をしている?というような国の施策のせいかも知れませんが,どう見てもプラハの方がコンパクトにまとまっていて,過ごしやすいのです.

 それから,空港にはがっかりしました.ブダペスト空港のターミナルは最近建てられたらしい近代的な建築.ターミナルが2つあり,アメリカへの直行便もあるようで,おそらく本数はプラハよりは多いんでしょうが,地元のマレーヴ航空が発着する,ヨーロッパ線(日本の国内線の気分)のターミナルには,土産物屋もほとんどないし,出国手続きをしたあともしてもろくなレストランがない.プラハをひいきにするわけではなくて,この空港にはいたくないと思ってしまう.またミニバスのようなものを使わないと,町中に行くのにはあまり便が良くない.これらは明らかにプラハ空港よりも劣ります.

 よく知らない人は今でもハンガリー,チェコなどを「東欧」などと呼んで一緒くたにしていますが,本当の東欧,バルト3国など旧ソ連に入っていたところとも違うはず,もっと旧西側のいいところが入ってきています.ただその程度にはいろいろと差があるものだと思いました.

そのほかこの街に滞在していて思ったこと


全く個人的な回想と感想なのですが,若い学生さんたちには見てもらいたい,「王宮の丘で思ったこと」「市内交通に関連して思ったこと」のページもご覧下さい.


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