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チェコ共和国の長期入国査証(visa)取得に関する注意 [2000 in Praha]

チェコ共和国の長期入国査証(visa)取得に要求された書類


 長期の入国査証申請に際し要求された書類等についてそれぞれ解説しましょう.

パスポート(旅券)
 これはどこの国に行くのでも一緒です.国外旅行をするのには必ず要ります.チェコ共和国への入国に際しては,滞在期間よりさらに6ヶ月間余計に有効期間があるものを要求されます.
 私の場合,少し前の法律のつもりでいたので間違えてしまいましたが,今は0歳の赤ん坊でもパスポートが必要です.写真を撮るのがちょっと大変だけど.私は危ういところでした.パスポートの取り方については都道府県の旅券担当係に問い合わせてください.

入国査証申請書
 申請書ははチェコ語で書かれていますが,英語で脇に説明もあるので,何とかなります.申請時に窓口で書き方を教えてくれるので,わからないところは開けておけばいいと思います.

写真
 写真は要求通り持っていきましょう.私の場合,用意していったにもかかわらず,窓口担当のおばさんが忘れて,こちらも忘れていたので,危うく出しそびれるところでした.

招聘状
 突然ふらっとやってくるものには長期滞在の許可は下りません.日本もそういう意味ではちょっと厳しいです.少なくとも誰か国内で「きちんと」した人が身元引受人になる必要があります.私の場合はこの招聘状がそれに当たります.私の場合は国の機関だったので問題ありませんでしたが,場合によっては招聘状にあるサインに公式の証明書をつけろといわれるかも知れませんし,実は後でわかったのですが,家族については別な意味での証明を求められることになります.
居住証明
 上の「招聘状」と同じく,この国に長く滞在するのに住まいがなければ困るわけです.特にプラハの近辺は住宅難であることもあり,実際に住居を確保することは大変だろうと思います.私の場合は国の機関である受入先から無償提供を受けることになっていたので,問題ないと思っていたのですが,あとから,公式の証明書をつけろと言われました.確かに,縁もゆかりもない人が勝手にここを使っていいという承諾書を書いてもわからない,という主張は理解できます.これに関しては,私の場合は受入側が準備してくれました.
銀行残高
 どういう人を「排除」しようとして言うのかわかると思います.実際にこの国に普通に滞在することが出来るのか,そうした経済的な裏付けがあるのか,ということが問題です.銀行に行ってすぐに英語で書いてもらうことができるかどうかはわからないので,時間に余裕を持って手続きをしましょう.私はよくわかりませんが,クレジットカードを取得してれば,それがこの代わりになるのかもしれません.調べてみてください.
保険証書
 海外旅行関連の保険はどの損保会社でもやっていますが,何しろ高い.私の場合,総計で11ヶ月ですが,家族3人で40万円以上保険料を払っています.それでもいざというときのためには仕方がないんだけど.たとえばクレジットカードに海外傷害・疾病保険が自動的に付帯しているものがあります.こうしたものでも済む可能性があるので,クレジットカードの会社にも相談してみましょう.傷害・疾病保障の他に,帰国費用の支払いについても保障されるものでなければならないことが,後で判明しました.それから,これも後からですが外事警察の担当者が英語が読めないので,チェコ語の公式の翻訳をつけろと言ってきました.
無犯罪証明書
 過去何年間か(よく知らない)長期滞在した国での無犯罪である証明を要求されます.私の場合は日本しかないので,その話だけしかわかりません.もし他の国のものが必要ならば,その国の大使館に依頼しなくてはなりません.


行くべき場所
警察本部の鑑識関係の部署(私の場合は岡山県警察本部の鑑識課)
申請に必要なもの
パスポート,写真1枚,戸籍抄本,住民票,査証申請書のコピー,手数料700円
発行までの期間
(岡山県警の場合)3週間
 最初から「提出相手国宛て」という形で証明書が出されますので,どこの国のヴィザを取るため,とはっきりさせて,査証申請書のコピーも出す必要があります.

アポスティーユ
この警察発行の書類には,アポスティーユ=日本国外務省によるお墨付きをつけることを要求されます.
大阪の外務省の出先に電話し,詳細を聞き,郵送で申請用紙を送ってもらう依頼をし,用紙が到着したら,また電話をして書き方の注意を受けながら記入,それから書留で依頼.さらに1週間はかかります.

注意しなくてはいけないこと
この書類はプライバシー保護の観点から,警察から受け取った段階以降,外務省のお墨付きを得るときに外務省の担当者が開ける以外は,相手国担当者が開ける前に開封すると無効になってしまうので気を付けましょう.

 そうした書類であるにもかかわらずなぜそれを知っているかはまた別のところで述べますが,この無犯罪証明書は日本語の原本と,そのしたに「こいつはこんな悪いヤツだ/とってもおりこうさんだった」という部分だけが英語とフランス語とドイツ語とスペイン語でも書いてあります.そして,氏名,住所,生年月日,本籍などの情報については,このアポスティーユの部分に英語(ローマ字)ですべて書いてあります.

 普通,これだけで充分どこの国でも通用するものと考えられますが,この大陸の真ん中の国であるにもかかわらず,驚くべきことに,後で英語で書いたものに対してさえも,チェコ語の公式の翻訳をつけろといってきました.「公式翻訳」についてはまた別のところで.


以上が在東京・チェコ共和国大使館から提出を要求された書類でした.結局上にも書いたとおり,後からこうやり直せ,という指示がたくさんきました.そしてさらに他にももっと書類を出せ,という要求が来ました.


さらに足りないといわれた書類
 このことについては別にまた述べますが,ヴィザ無しのまま入国後,入国査証申請書に記載したチェコ共和国の受け入れ側保証人に,上記のような書類補充と,さらに別途補充を要求されました.
•婚姻証明書
• 「私の」90日以上有効な入国査証の写し
 妻の入国査証に関しては,夫についてくるというが,それは本当に夫なのか.またそうであるとすれば,その夫はちゃんと入国査証を持っているか,という観点から,婚姻証明書(もちろん,アポスティーユ付きを要求され,さらにどうせそれにも公式翻訳が要求されるでしょう)および夫の90日以上有効な入国査証(の写し)を要求されました.また子についても両親の90日以上有効な入国査証を要求されました.婚姻証明書については,曽布川なんてのは珍しい名前ですから,夫婦だ(親族だ)とはすぐにわかりますが,国によってはもちろん夫婦別姓のところもたくさんあるわけなので,わからないでもないですが,今ここで家族揃って申請しているのに夫の(親の)入国査証を出せ,といってくるとは,全く四角四面というか官僚主義極まれりという感が否めません.最終的には私たちの場合にはこれを準備しませんでしたが,こうしたことが現地で起きたら,在プラハ・日本大使館に問い合わせましょう.情報をよくつかんでいますし,親切に対応してくれます.


アドヴァイス
 信用できるか,という問題ではなくて,共産主義時代の名残で国の組織が大きすぎ,しかも硬直化しているので,末端まで情報がきちんと行き渡っていない,もしくは中央が末端の実態を把握していないという理由により,在東京・チェコ共和国大使館の言うことでさえも,入国後に覆されることがあります.
 在プラハ日本大使館を窓口として,日本国はチェコ共和国とこうした外交上の問題について鋭意折衝を重ねているようで,2000年7月に話を聞いたときも,早くこうしたくだらない障壁をなくしたい,と日本大使館側は言っておられましたが,どうなるかはわかりません.在東京・チェコ共和国大使館に対して,「それだけで本当に大丈夫なのか」「最近こういう事例があったが本当に大丈夫か」と事前にしつこく確認をとることをお勧めします.

注意すべき事項

申請時における注意
 在東京・チェコ大使館のヴィザ申請の窓口は,日本の役所のように月~金9時から5時まで,とは開いていません.いつ開いているか確認しておかなくてはなりません.また 申請時は申請者全員が大使館の窓口に出頭せよといわれました.実際には,妻と子供は窓口の見えるところで遊んでいて,何もしなくて良かったので,あれなら別に私一人でも良かったのではないかと思ってしまいました.少なくとも我々の場合は岡山から東京なのですから,大きく旅費がかかります.
 それから申請が受理された後,本国に書類が送られ,OKが出るまでいくらか(実はとんでもなく時間がかかり,しかも大抵ダメだといわれて突き返されて)時間がかかり,さらにその発行は申請したところでないとだめと言われました.せめて受付窓口がうんと言ったら,その通り受理して欲しいですし,書類に記載されている内容に問題があればまだしも,一旦受け付けておきながら不備だ,と突き返すのは全く理不尽な話です.窓口で本当に書類は充分か,念を押して聞くことにしましょう.さらに,時間に大きく余裕を持ちましょう.半年では危ないと思った方がいいでしょう.

入国査証の発行に関する手数料
 入国査証の発行に関しては,互いに手数料を取らないという取り決めになっています(2000年7月在プラハ・日本大使館に確認)ところが中央でこのことが決まっているにもかかわらず,末端ではこれが知られていないことがあり,手数料を要求されることがあります.これには,手数料を支払わなくてもいいことになっていると,主張しましょう.後から返還してもらおうにも,たとえば私の場合,岡山から東京までの旅費を考えたら,あきらめざるを得ませんから.

「公式翻訳」について
 「公式」の意味するところがあまりよくわからず,私の場合は受け入れ側ホストに教えてもらった通りの業者に依頼しましたが,チェコ国内にすでにいる場合には,まず日本大使館に相談してみてください.実際には誰が翻訳をして文書を書いてもよく,それを公式に判定する人が判定して,正しいというスタンプを付いてサインすればそれでいいようです.日本語で書かれたものなどは結局日本大使館がその判定をするわけですから,何も業者にチェコ語や英語で頼まなくても,日本大使館に行って,日本語で細かい依頼をすることが出来ますし,費用もはるかに安いはずです.

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