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P.Schreier&Praha Philharmonica J.S.Bach「ロ短調ミサ曲」(St.Vita church) [2000音楽三昧 in Praha]

P.Schreier&Praha Philharmonica J.S.Bach「ロ短調ミサ曲」(2000年5月20日 St.Vita church)


 ご存じ「プラハの春」音楽祭の一環として,あのペーター・シュライヤーが指揮をして,今年没後250年の J.S.Bachの大作「ロ短調ミサ」をやるというので,ほかの理由もあったのですが,プラハ城に入ってどっと迫ってくるあの聖ヴィート教会まで聴きに行きました.はっきり言って,ミサの典礼文を全部わかっているわけではないし,まあ寝るかも知れない,と思いながら言ってみました.この教会は数年前群響がこのプラハの春音楽祭に招かれてきて演奏して好評を博したところですが,とても大きな教会です.それだけでも宗教的な響きを楽しめると思い,また歌手としてはもちろん名高いペーター・シュライヤーが,どんな指揮をするかというのもとても興味のあるところでした.

 オーケストラは昨年日本にも演奏旅行に来たのでご存じの方も多いと思います.メンバーは少し減らしてあって,25人ぐらいだったでしょうか.あんまり前に行くともったいないので中程にいたため,よく見えませんでした.合唱は40人ぐらいで結構大きめ.
 演奏は,とても充実した聴き応えのある演奏.概してプログラムにはほめ言葉が書いてあるのですが,確かに書いてあるとおりバッハについての深い譜面の解釈に基づいた緊迫した演奏で,眠らずに聴けました.もちろん息子は曲が始まるとすぐに膝の上でお休み,終わり頃になって起きるという,完璧な振る舞いを見せました.
 いろいろと驚いたことがありました.まず最初に,シュライヤーは暗譜でした.あれだけ長い曲を暗譜で.しかも指揮を見ていると,派手ではない地味でもない,でも必要なことを完璧に表現し,オケ・歌だけでなく,お客さんまで完全にドライブしているという感じ.良い演奏を聴いたと言うだけでなく,すばらしい指揮を見せてもらったという気もしました.

 別途,このオケの日本人団員の方から伺ったのですが,指揮者の希望でトランペット(ポストホルン)とホルン2人はウィーンからトラを呼んだそうですが,まあ一応それだけのことはあったようです.オケ側は不満だったようですが.それから別の団員と話をする機会がありましたが,シュライヤーについては本当に尊敬できると言っていました.あの大曲を,もちろん歌詞だけでなく歌詞の細かい発音から,歌についている細かい装飾的な音符の処理から,弦のボウイングから,何から何まで完璧に把握していて,それを完璧にしかもうるさくなく棒で表現し,かつ歌の関係に対しては自らすべてのパートを歌って見本を見せ,本番も彼の口が歌詞の発音をきちんと出来るように先へさきへと発音を見せていたそうです.道理で充実した演奏だったわけだ.

 というわけで,行った甲斐があった演奏会だと思いました.

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